個人でスマホアプリを公開すると、ストアに作成者の本名が載ります。これが嫌で、アプリはできているのに公開をためらっている人もいるのではないでしょうか。
この記事は、そんな人に向けて書きます。
個人でアプリを出すと、どこに本名が出るのか
まず、ストアごとに何が表示されるのかを確認しておきます。
- App Store
個人で Apple Developer Program に登録すると、販売元として本名が表示されます。個人で登録した場合のデベロッパ名は法的な氏名と同じで、ニックネームや屋号には変えられません。会社名を出したいなら、法人として登録する必要があります - Google Play
個人アカウントでは、氏名・国・デベロッパーのメールアドレスが表示されます。有料アプリやアプリ内課金で収益化すると、住所まで表示されます
出典:Apple Developer ヘルプ(Enrollment、Set your developer name)、Play Console ヘルプ(Google Play Console デベロッパー アカウントを作成する場合に必要な情報)。2026年9月時点の内容です。
本名公開が嫌なのは、たぶん会社員
本名が公開されるのが嫌だと思う人の大半は、会社員ではないでしょうか。
きっと、会社の人にアプリストアから名前を見つけられて、身バレするのが嫌なんでしょう。特に副業禁止の会社だと、バレるといろいろ面倒ですからね。
あなたはアプリの作者名を見ていましたか
ただ、考えてみてください。あなたは今まで、アプリの作者の名前を見ていましたか?
それが答えです。だれもアプリの作者名なんて見ません。
そもそもアプリにたどりつくことが奇跡に近い
それに、自分のアプリにたどりつく人の割合を考えると、そもそもアプリにたどりつくことすら奇跡に近いです。
Apple が公開している「2025 App Store Transparency Report」によると、App Store にあるアプリは2,172,472本です。Google Play も、AppBrain の集計で約199万本あります(2026年9月時点)。
同じレポートには、1週間のうちに1,000回以上の検索で上位10件に入ったアプリの数も載っていて、その平均は164,436本です。全体の1割にも届きません。検索して上のほうに出てくるアプリは、全体のごく一部です。
同僚に見つかって名前まで見られる確率を出してみた
実際に、会社の人があなたのアプリを見つけて、名前まで見る確率を出してみました。数字は、どれも見つかりやすい側に多めに置いています。
| 項目 | 置いた数字 |
|---|---|
| App Store のアプリ数 | 2,172,472本(Apple の2025年のレポート) |
| 同僚1人が1年に開くアプリのページ | 365本(毎日1本、毎日ちがうアプリ) |
| ページを開いて、作者名まで見る人 | 10人に1人 |
| ローマ字の名前を見て、あなただと気づく人 | 2人に1人 |
| あなたの名前を知っている会社の人 | 100人 |
これを順番にかけていくと、次のようになります。

- 同僚1人が、あなたのアプリのページを開く
365 ÷ 2,172,472 = 約5,952分の1 - そのページで、作者名まで見る
× 10分の1 = 約59,520分の1 - ローマ字の名前で、あなただと気づく
× 2分の1 = 約119,040分の1 - 同僚100人のだれか1人でも気づく
1 −(1 − 119,040分の1)の100乗 = 約0.084%
1年で約0.084%、だいたい1,191年に1回です。10年公開し続けても約0.84%で、1%に届きません。
しかも、この計算は217万本のアプリがどれも同じくらい見られる前提です。先ほどのとおり、検索で上のほうに出てくるアプリは全体の1割もないので、ランキングや検索の上位に入っていない個人アプリなら、実際はこれよりさらに低いはずです。
名前がわかっても、ローマ字では漢字までわからない
それに、名前がわかったとしても、アルファベット表記で漢字まではわかりません。
App Store で実際に確かめてみました。日本の App Store を「家計簿」「タイマー」「メモ」など8つの言葉で検索し(iTunes Search API、2026年9月16日)、出てきたアプリの販売元を数えています。
| 数えたもの | 件数 |
|---|---|
| 販売元(重複なし) | 1,043件 |
| そのうち、日本語だけに対応したアプリの販売元 | 161件 |
| その中で、個人名と思われるもの | 82件(すべてローマ字) |
| その中で、漢字の個人名 | 0件 |
どれも「Taro Yamada」のようなローマ字です。これでは、山田太郎なのか山田太朗なのかまではわかりません。
ただし、日本語以外にも対応したアプリまで広げると、漢字で表示されている日本人の個人名も2件ありました。必ずローマ字になるとは限りません。
見つかって聞かれても、どうにでもなる
仮に見つかって聞かれたとしても、同姓同名の別人だと白を切れます。
珍しい名前でそういうのが難しい場合でも、「趣味でやってました」で通ります。
まとめ
- 本名公開が嫌なのは、会社の人に見つかって身バレするのが心配だから
副業禁止の会社だと、バレるといろいろ面倒 - だれもアプリの作者名なんて見ない
App Store だけで217万本。自分のアプリにたどりつくことすら奇跡に近い - 同僚100人でも、見つかって名前まで見られるのは1年で約0.084%
数字を多めに置いても、だいたい1,191年に1回 - 名前が見えても、ローマ字では漢字までわからない
聞かれても、同姓同名の別人か「趣味でやってました」で通る
本名が出ることを理由に公開をためらっているなら、その心配はほとんどいりません。
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