ITサービスやツールの使い方を、実際の画面を見せながら「ゆっくり解説」で紹介するYouTubeチャンネルを運用してきました。結論から書くと、このチャンネルには見切りをつけることにしました。
再生数は、いちばん見られた動画でも300回ほど。ほとんどの動画は2桁で止まり、チャンネル登録者はほぼ0のままです。アナリティクスも見て立て直せる余地を探しましたが、望みは薄いと判断しました。
なぜやめたのかを整理しておくと、同じような形でチャンネルを始めようとしている人の判断材料になると思うので、記録として残しておきます。先に、やめた理由を表にまとめておきます。
| やめた理由 | 何が問題だったか |
|---|---|
| 画面の解説は賞味期限が短い | 画面が変わると動画が古くなり、直すには撮り直すしかない |
| テック系の情報は鮮度が落ちる | 公開から時間がたつほど再生されにくくなる |
| ゆっくり解説は埋もれやすい | 似た見た目の動画が多く、見分けてもらえない |
| AIで解説動画の価値が薄れた | 使い方はAIに聞いたほうが早い |
| YouTubeでIT系を学ぶ人が少ない | そもそも探しに来る人が少ない |
どんなチャンネルだったか
テーマは「画面を見せながらの解説」です。サービスやツールの実際の画面を録画して、操作の流れに合わせて、ゆっくり解説(合成音声のキャラクターが掛け合いで説明する形式)で説明していました。
「どこを押せばいいか」「押すと何が出てくるか」は、文章や画像だけだと伝わりにくいところです。動画ならそこをそのまま見せられる。それがこの形式の強みでした。

ただ、やってみると、この形式ならではの弱さがいくつも見えてきました。
やめた理由は5つ
1. 画面の解説は賞味期限が短い
画面を見せる解説は、画面が変わった時点で古くなります。サービスによってはメニューの名前やボタンの位置がよく変わり、特にAIツールは更新が速いので、録画した画面と今の画面が違う、ということが普通に起こります。
困るのは、動画は公開したあとに中身を差し替えられないことです。YouTubeには、アップロード済みの動画ファイルを別のファイルに置き換える機能がありません。画面が変わったら、撮り直して別の動画として出し直すしかなく、そのときは再生数も評価もゼロからです。
ブログ記事なら、画面が変わっても画像と説明を差し替えれば済みます。同じ「画面を見せる解説」でも、直しやすさがまったく違います。
| 動画 | ブログ記事 | |
|---|---|---|
| 画面が変わったら | 撮り直して出し直す | 画像と説明を差し替える |
| 再生数や評価 | 新しい動画はゼロから | 同じURLのまま引き継げる |
2. テック系の情報は、時間がたつと見られなくなる
1つ目は画面の話でしたが、中身の情報も同じです。テック系の情報は、公開した直後がいちばん価値が高く、そこから落ちていきます。新機能、料金、無料のキャンペーン、バージョンアップ。どれも時間がたてば「今は違う」情報になります。
見る側もそれを分かっているので、同じテーマの動画が並んでいれば、公開日が新しいものを選びます。雑学やエンタメの動画のように、何年たっても見られ続ける動画にはなりにくいのです。
1本1本が働く期間が短いので、本数を増やしても、チャンネル全体の再生数が積み上がっていきにくい。これがテック系の解説動画のつらいところです。
3. ゆっくり解説は差別化しにくく、埋もれやすい
ゆっくり解説は、顔も声も出さずに始められる形式です。そのぶん始める人が多く、同じキャラクター、同じ声、似たようなサムネイルの動画があふれています。
視聴者から見ると、どのチャンネルの動画なのか見分けがつきにくい。内容で差をつけようとしても、検索結果やおすすめの一覧では似た動画の中に並んでしまい、クリックされる前に埋もれます。
見分けがつかない形式は、1本見てもらえたとしても、「このチャンネルをまた見よう」と覚えてもらうところまで届きにくい。登録につながりにくいのも、この形式の弱さです。
4. AIの登場で、解説動画の価値が薄れた
今は、ツールの使い方で分からないことがあれば、ChatGPTやClaudeのようなAIに聞けば答えが返ってきます。自分の状況に合わせた説明を、知りたいところだけ、すぐにもらえます。画面のスクリーンショットを貼って「次はどこを押せばいい?」と聞くこともできます。

動画はその逆で、最初から順番に見る必要があり、知りたい操作が何分あたりにあるかも自分で探さないといけません。「〇〇の使い方」を知りたい人にとって、解説動画は最初に選ぶ手段ではなくなってきています。
5. YouTubeでIT系の勉強をしようとする人が少ない
YouTubeは、空いた時間に気軽に見るものとして使われることが多いサービスです。一方で、IT系の勉強をしたい人の多くは、公式ドキュメント、技術ブログ、書籍、オンライン講座、そして今ならAIを使います。
YouTubeでIT系の勉強をしようとする人は、そもそも多くありません。その少ない需要も、すでに登録者の多いチャンネルに集まりやすく、後から始めた小さなチャンネルが見つけてもらうのは簡単ではありません。
結果:再生数は多くて300回、登録者はほぼ0
実際の数字です。
- いちばん見られた動画
300回ほど - ほとんどの動画
2桁で止まった - チャンネル登録者
ほぼ0
数字だけ見て投げ出したわけではなく、YouTube Studio のアナリティクスも確認しました。主に見たのは次の4つです。
- インプレッション数
サムネイルが視聴者の画面に表示された回数 - インプレッションのクリック率
表示されたうち、実際にクリックされた割合 - 視聴者維持率
動画のどこまで見てもらえたか - トラフィックソース
検索、おすすめ、チャンネルページなど、どこから見に来たか
直近28日間(2026年8月13日〜9月9日)の数字がこちらです。

28日間でサムネイルが表示されたのは3,956回、クリック率は6.2%でした。YouTube のヘルプによると、全チャンネル・全動画の半数はクリック率が2〜10%の範囲に入るので、クリック率が極端に低いわけではありません。問題は、そもそも表示される回数が少ないことです。視聴回数は28日間で830回にとどまりました。
視聴回数の内訳を見ると、上位2本(Cloudflareの解説と、ChatGPT Plusの1か月無料キャンペーンの紹介)だけで670回。3位以下はAWSの解説が22回、Dockerの解説が15回と、ほとんどが2桁でした。

見つけてもらった経路は、YouTube 検索が58.4%、ホーム画面などのブラウジング機能が31.5%です。2番目に見られたChatGPT Plusの動画は、キャンペーンが終われば役目を終える題材で、2つ目の理由に書いた「鮮度」の話そのものでした。
クリック率が極端に低いなら、サムネイルやタイトルを作り直せば済みます。でも実際は、クリック率は目安の範囲にあって、表示される回数そのものが少ない。どこかを少し直せば伸びる、という見込みは持てませんでした。上の5つの理由とあわせて、このチャンネルには見切りをつけることにしました。
YouTube×テック系をあきらめたわけではない
ここまで書いてきましたが、YouTube×テック系をあきらめたわけではありません。見切りをつけたのは、今のチャンネルと、そこでやってきた「画面を見せながらのゆっくり解説」というやり方です。
今回の5つの理由を踏まえて、別の方向からアプローチしようと考えています。アイデアはもうあります。
詳しくは次回。お楽しみに。
まとめ
画面を見せながらのゆっくり解説で、テック系のYouTubeチャンネルを運用してきましたが、見切りをつけました。理由は次の5つです。
- 画面の解説は、UIが変わると古くなり、差し替えもできない
- テック系の情報は、時間がたつほど見られなくなる
- ゆっくり解説は、似た動画が多く埋もれやすい
- AIに聞けば済むので、解説動画の価値が薄れた
- YouTubeでIT系を勉強しようとする人が少ない
再生数は多くて300回、ほとんどが2桁で、登録者はほぼ0。アナリティクスを見ても望みは薄いと判断しました。ただ、YouTube×テック系そのものをあきらめたわけではありません。次は別の方向から試してみます。
次に読む記事



